寂しい現実。

職場で近しい友人はいますか?
半年に一度の職場アンケートに必ず出てくる質問。
ワタシはいつも Yes にも No にもチェックをしない。
友達らしき人はいるかも知れない。
でも、相手が信じられるかというと自信がない。
みんなと上手くやって行っている自信、ならある。

ワタシ達はそれなりにおしゃべりをし、
助け合って、
直接だったり、陰でだったり、人それぞれだけど
文句を言ったりする。
ワタシは直接言う方だから、人によっては気に食わないのかも知れない。
ワタシに他の人の陰口を言う仲間は
恐らくワタシの陰口もどこかで叩いているんだろう。

職場でサバイブしていくためには
どこかで割り切って、自己主張をして行かなければならない。
本当に、信じられる、友達になりたいと思える人たちは
結局いい人過ぎて、サバイブして行けない。
悲しいけど、ある程度距離を置いておいたほうが安心。

例外がある職場もあるけれど、
人に裏表があるのはオーストラリアでも一緒。
ずっと割り切っていくしか無い。

誤魔化せない真実。

今、ちょっと書く方をちょっと頑張っている。
最近ライターの友人と3人立て続けに会って、触発されたかも知れない。

英語のブログにアップしているストーリーの続きと、
とある短編小説のなんちゃって訳を平行して書いている所。

そのなんちゃって訳の短編を是非是非紹介したい。
ジョナサン・ノラン氏の書いた『メメント・モリ』
ラテン語かなんかで、”生きている限り必ず死は訪れる”っていうようなイミらしい。
作者はバットマンシリーズで有名な映画監督のクリストファー・ノラン氏の弟さんであり、
この超短編小説は同監督の出世作となった『メメント』の原作。

映画版はアートハウス作品に近い独特の雰囲気があって、
サスペンスでありながら、あらゆる感情を動かされる、
アタマまで主人公と同様におかしくなっていくような感覚を起こされる程の
絶妙な演出にコーフンを覚えたものだ。

そして、数年前弟さんの書いた原作をネット上で発見。
映画とはかなり別物。
メインのアイデアと、独特のトーン、雰囲気とリズムは共通している。
主人公の記憶の様に断片的で、散文詩のような淡々としたスタイルの文章なのに、
あらゆる感情を揺さぶられる。
ワタシの好きなスタイルの文章だ。
現在と過去の交差。

一人称でスタートするメッセージは誰からのものか。
もしかしたら主人公自身が書いたものかもしれない。
どこかで迷路に誘い込まれる。

行間を読むとか、雰囲気を感じ取るとか、
そういうのを大切にする日本人にとっては
耽美感を持った魅力的な文章。
それで居て、バンド音楽のような
ファンキーな、リズム感も併せ持っている。

なんちゃって訳だから、
その淡々としたリズムと、トーンを壊さないようにしようと思いながら
少しずつ訳している。
コピーライトとかの問題は個人ブログだし、多分。。。ないと思いたい。

ではでは、手始めに第一章。

***************************************

Memento Mori

1

"ごまかせない真実を打ち抜く弾丸のように!"
—Herman Melville

あんたの奥さんはいつも言っていた。あんたは自分の葬式にさえ遅れるだろうって。覚えてるか?ちょっとした冗談だった。あんたがどうしようもなく間抜けた野郎だったから-いつも遅刻する、モノを忘れる、あの事件が起こる前でさえそうだったんだ。

そして今、あんたは奥さんの葬式に間に合ったのだろうかって、考えている。
そこにいた。それだけは分かっている。それがその写真の目的だから-そのドアの脇に貼ってあるヤツだ。通常、葬儀では写真は撮らない。でも誰か、あんたの医者か誰かだ。多分。あんたが覚えてられない事を知ってたんだ。その医者たちがわざわざ綺麗に大きく写真を焼いてそこに貼ったんだ。ドアの横に。だから間違いなくあんたの目に入る、あんたが起き上がって奥さんがどこに居るのか探すたびに。

写真の中の男、花束を抱えているヤツは誰かって?そいつはあんただ。で、あんたは何してる?あんたは墓標に彫られた名前を読んでいる。誰の葬式に出ているのか知る為に。今これを読んでいるのと同じだ。誰か知らないけど、何の理由でドアの横にそんな写真を貼ったのか知る為に。でも何で記憶できない事について読む必要がある?

奥さんは死んだ。死んで良かったんだ。で、あんたは今傷ついている、知らせを聞いて。勿論、あんたの気持ちは分かっている。あんたは多分完全壊れているだろ。でも、5分、10分、或いは30分まるまる持つかもしれない、それを忘れてしまうまでに。

でも、忘れる-それだけは保証する。数分経ったらあんたは必ずドアに向かう、奥さんをまたぐるぐる探す。写真を見つけて崩れ落ちる。何度その知らせを耳にしなければならないのか、あんたの壊れたアタマじゃない、あんたの身体の一部が、思い出し始めるまでに。

永久に終わらない苦悩。永久に消えない怒り。先も見えない不毛な状態。多分何があったかさえ、あんたは分かっていないんだろう。俺にさえ、自分が完全に把握してるとは言えない。逆行性健忘症。そうドアのサインには書いてある。CRS disease= (Can’t Rememenber Shit) クソみたいに簡単な事も思い出せないビョーキ。そう、あんたのカンは俺と似たり寄ったりだ。

自分に起きた事だって多分あんたは覚えてないんだろ。でも、彼女に起こった事は覚えてる、そうだろ?医者は話したがらない。オレの疑問にも答えない。あいつらはあんたの様なビョーキを持つヤツがそういう話を聞くのは良くないと思ってる。でも、あんたは充分なほど覚えてる。そうだろ?アイツの顔は覚えてるはずだ。

だから今これを書いている。無駄かもしれない。あんたが俺の話を聞くまでに何度これを読まなきゃいけないのかも知らない。あんたがこの部屋にもうどの位閉じ込められているのかさえ知らない、あんただって知らないんだ。でも物忘れのいいとこは、自分を無意味な生き物と見限る事すら忘れてしまえる事だ。

遅かれ早かれ、あんたは何かしら行動を起こしたいだろ。で、その時が来たら、俺を嫌でも信じなきゃいけない。俺があんたを助けられる唯一の人間だからだ。

***************************************

現在第二章のなんちゃって訳進行中。

ではでは。

ここはどこ?ワタシはだれ?

今日は仕事は休み。
で、翻訳の続きを午後から始めた。
原文が一ページに纏めてあったから、短く感じたけれど
結構長い事に気づく。
英語で読んで全部理解していた気になっていたけれど、
日本語にするのは結構骨が折れる。
特に第一章のメッセージが誰からのものかがナゾの為、
YOUの訳をあんたにするか、おまえにするか、未だに悩んでいる。

ふむ。

こんな事に時間を潰せるなんて
ホントは随分ラッキーなんだろうけど。

第二章は結構長いから、前半後半にわけてみる。

訳した後またちょこちょこ修正したくなるだろうけど、
とりあえず、今はこれでよし。

という事で。

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第二章前半。

アールは白いタイル張りの天井に向かって片方ずつ目を開ける。その視線は頭上にテープで貼られた手写しのサインの所で止まる。ベッドからでも充分に読める大きさだ。どこかで目覚まし時計が鳴っている。サインを読む。瞬きする。そしてまたそれを読む。そして部屋を見回す。

白い部屋だ。ぎょっとする位白い。壁、カーテン、病室の家具から掛け布団まで全部。目覚まし時計は白いカーテンの掛かった窓の下の、白い机の上で鳴っていた。この辺で恐らくアールは白い掛け布団の上に自分が横たわってい事に気がつく。既にガウンとスリッパは身に着けている。

再び横たわって、天井のサインを読む。太いブロック体の大文字で、お前の部屋。病院の中。お前が住んでいる場所。と書いてある。

アールは起き上がって周りを見渡す。部屋は病室にしては広い — 味気ないリノリウム材がベッドから三方に貼り伸ばされている。ドア二つと窓一つ。そこから見える風景も大して参考にならない - 良く手入れの行き届いた芝生の、真ん中に通る並木道、わずかに二車線道路のアスファルトの所で途絶えている。木々は、常緑樹を除けば葉は落ちている - というコトは早春か晩秋。そのどちらかだろう。

机上は隙間無く付箋紙のメモ、メモパッド、綺麗にコピーされたリストの数々や、精神医学のテキスト、額に飾られた写真とかで埋まっている。

その天辺には未完成のクロスワードパズル。目覚まし時計は畳んだ新聞紙の山の上に乗っている。アールはスヌーズ・ボタンをぶっ叩き、それからガウンの袖にテープで止めてあるタバコのパックから一本取り出す。ライターを探して空っぽのパジャマのポケットを叩く。引き出しの中を軽く見渡す。何とかやっと、台所用のマッチ箱が窓際の壁に貼りつけられているのを見つける。その上方には更にサイン。どぎつい黄色の文字で書いてある。タバコ?火のついてるヤツを先ず探せ。このバカ。

笑いながら、アールはタバコに火をつけ、ゆっくりと吸い込む。
目の前の窓にはルーズリーフの紙が貼ってある。お前のスケジュール、とある。
時間を、ちゃんと毎時間チャート状に区切ってあり、ブロック体で:午後10時から午前8時は ベッドに戻る とラベルされている。アールは目覚まし時計を確認する:8時15分。外の日差しからすると、朝だろう。腕時計をチェックする。10時半。時計を耳に寄せて音を確認する。ネジを1-2回転させて目覚まし時計と合わせる。

スケジュールにからすると、8時から8時半は、歯を磨け。アールはまた笑いながらバスルームに歩いていく。
バスルームの窓は開いている。身体を暖める為に腕を上下に振り動かす。ふと窓の下にある灰皿に気づく。吸い差しのタバコが長い煙をくゆらせて燃え続けている。眉を顰めながら火を消し、新しいタバコを替わりに置く。

歯ブラシには既に歯磨き粉がついている。蛇口は押しボタン式で、一押し毎に一定量の水が出てくるというヤツだ。アールはキャビネットのドアを開けながら、頬の内側にブラシを押し込んでガシガシ動かす。棚には一回量毎パックされたビタミン剤や、アスピリン、抗利尿薬が積まれている。マウスウォッシュも一回使用量のもので、プラスチックボトルにショットグラス程度の量の青い液体がパックされている。歯磨き粉だけが普通サイズだ。アールは歯磨き粉の残りを吐き出し、代わりにマウスウォッシュを口に含む。歯ブラシを歯磨き粉の脇に置いていると、ふと、ガラスの棚板とキャビネット内部の金属の間に挟まっている小さい紙が目に入る。ひとまず洗面に泡状の青い液体を吐き出し、口をゆすぐ為に蛇口をまた数回押す。キャビネットのドアを閉じ、鏡に映る自分に笑いかける。

「誰が歯磨きに30分も使う?」

紙は小学生のラブレター並に小さく緻密に畳まれていた。広げて、鏡の上で伸ばして見ると—

「これがまだ読めるなら、あんたはまるっきり腰抜けだな。」

アールは無表情で紙を凝視し、読み直した。裏返してみると—

「P.S.: 読み終わったら、また隠せ。」

アールは表裏を読み直し、元通りの大きさに紙を畳んで、歯磨き粉の下に捻じ込んだ。

で。

第二章の続き。

表現が、ビジュアル的には分かるんだけど、ピッタリとした訳が思いつかないって部分、かなりあったなぁ。
そして、てんかん人にとってはお馴染みの脳スキャン。
っていっても、色んな方向から撮ったスキャンがあるんだなぁ、と改めて感心。

句読点の使い方、めちゃめちゃに感じますが、オリジナルがこんな感じなんで、このままにしてみる。
正確に訳した方がいいのか、感覚的に訳した方がいいのかもここら辺でかなり迷い出した。

改めて、描き方が独特だ。。。
はっきり言って失敗かも。。。

**********************************************

で、多分その辺である傷痕に気がつく。太くてギザギザのヤツ、耳の真下から始まり、髪の生え際辺りで止まっている。アールは首を廻して横目で傷痕の線を追う。その上を指先でなぞり、再び灰皿で燃えているタバコに視線を戻す。ある考えに思い当たり、急にバスルームから走り出る。

彼は入り口で立ち止まる。片手をハンドルに掛けたまま。2枚の写真がドアの横にテープで張られている。先ず脳スキャン写真に目が留まる。ピカピカの黒い枠に、4窓に分断された誰かの頭蓋骨。ペンでお前のアタマと標してある。それをじっと凝視する。様々な色に塗り分けられた同心円。眼球と、その後ろの左右対称の脳葉の部分は分かる。滑らかに刻まれたしわ、円、半円。ただ、まさにその、頭の中心、マーカーで囲んである、首の後ろから蛆に食われたアプリコットの様にトンネル状になっている部分、どこかおかしい。変形しているのか、壊れているのか、兎に角明らかだ。黒ずんだ、花の形のそれが、脳のまさに中央にある。

別の写真を見る為に彼はしゃがみ込む。花を持って、建てられたばかりの墓の前に立つ男の写真。かがんで、墓標を読んでいる。その瞬間ふと、鏡ばりのホールか、無限に繰り返されるスケッチの描き出しの様に感じる: 男が屈んで、墓標を読む、小さく写っているその男を見ている。アールは写真をじっと見つめ続ける。もしかしたら、泣き出すかも知れない。もしかしたら、その写真をただ静かに見つめるだけかも知れない。その内に、ベッドに引き返し、その上にばたんと倒れこみ、目を閉じて、眠りに落ちるのを待つ。

タバコはバスルームでくすぶり続けている。目覚ましが10秒から逆に動き始める、そして再び鳴り出す。

アールは白いタイル張りの天井に向かって片方ずつ目を開ける。その視線は頭上に貼られた手写しのサインで止まる。ベッドからでも充分に読める大きさの。
Profile
齢45になるベテランてんかん患者です。 お仕事はきちんとしながら オフはだらだらと生活してます。 仕事仲間には私が怠け者とはバレてません。 てんかん、っていう以外はまあ、普通。 つまんない冗談とかよく言ってます。

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Author:ふぅみん:D
16歳の時にてんかん発病。
闘病歴24年。(な、長い!)
7年前、オーストラリアのメルボルンでソウルメイトと出会い、8ヶ月後に結婚。

性格:真面目な変人。オープンな性格。時々情緒不安定。
タイプ:エロオヤジ系。
煽てられると調子に乗る。

いつも、ありがとう。

折角ブログを覗きに来てくれる人が居るのに、
サボり癖のついている最近のワタシ。
だけど、結局戻ってくる。
どんなに長くサボっていても
その内にきっと必ず書きたくなるから。

ブログってそんなものなのかも知れない。
もう書き始めて何年になるんだろうか?

ブログと共に、
ワタシも歳をとり。
成長し。(?)
他の人のブログとつながる。

あ、あのヒト、どうしてるかな?
なんて、ワタシも覗きにいく。
毎日頑張って書いているヒト、
ぼちぼち頑張っているヒト、
さまざまだけど、
ああ、頑張っているんだな、って分かるだけで、
一日の終わりに、ワタシに元気をくれる。
ホントにありがとう。
そして、来てくれたヒト、ありがとう。

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