実験的にまた続き書いてます。。。

2. 19年前。

「お母さん、行ってくるね。」
「ゆきちゃん、一人で大丈夫?」
申し訳なさそうに言う母親に、幸恵はコクリとうなずいた。

外に出ると、「行ってきまぁす」という元気のいい声が近所のあちこちで聞こえる。
同じ小学校へ向かうらしい子供の集団も見える。

母親の康代と横浜に引っ越してきたのはつい2週間前で、それまでは東京の板橋に3人家族で住んでいた。思い出したくも無い。
そうして母娘2人だけのアパート暮らしが始まった。

看護婦をしていて夜勤の多い康代は、幸恵を一人にする事がよくあった。
「ごめんね。ごめんね。」
そう心の中で康代が繰り返す言葉は声にならない。

「幸恵ちゃん、しっかりしてるから」、
と、親戚は良く幸恵の事を康代の前で褒めたが
「あの子は子供らしいところがなくて、可愛くない」
と陰では言っているのを、康代は知っていた。

-新しい学校。
幸恵は担任の教師に導かれて教室に入る。
突然集まる視線。
緊張した幸恵には頭を下げる事しか出来ない。

休み時間。
人見知りの強い幸恵が、誰に声を掛ける事も出来ず、無言で席に座っていると、一人の少年が、友達を連れて席に近づいてきた。

「ゆきえちゃんって大人しいんだね。一人で寂しくないの?」
哲也と名乗ったその少年は、青空を思わせるような、明るくて爽やかな笑顔で言った。

隣に立っていたもう一人の少年の名前はアキラと言った。
哲也と対照的に、影のある少年。
「産まれたときからの親友なんだ」、と哲也は笑いながら説明する。

ぶっきらぼうに「ヨロシク」と言うアキラ。
その時、幸恵を下から睨むように見ていた。
その視線の鋭さに幸恵は思わずどきっとする。

そして-寂しそうな表情の少女が、アキラの後ろから顔をだした。
「こっちは美穂ちゃん。」
何故か照れくさそうに彼女の名前をいう哲也。
美穂はその頃から、すごく可愛かった。

「僕達、家が近所なんだ。」
それから哲也は昼に一緒にお弁当を食べないか、と幸恵を誘った。

Post a comment

Only the blog author may view the comment.

Profile
齢45になるベテランてんかん患者です。 お仕事はきちんとしながら オフはだらだらと生活してます。 仕事仲間には私が怠け者とはバレてません。 てんかん、っていう以外はまあ、普通。 つまんない冗談とかよく言ってます。

←お気に入りに追加♪


ふぅみん:D

Author:ふぅみん:D
16歳の時にてんかん発病。
闘病歴24年。(な、長い!)
7年前、オーストラリアのメルボルンでソウルメイトと出会い、8ヶ月後に結婚。

性格:真面目な変人。オープンな性格。時々情緒不安定。
タイプ:エロオヤジ系。
煽てられると調子に乗る。

いつも、ありがとう。

折角ブログを覗きに来てくれる人が居るのに、
サボり癖のついている最近のワタシ。
だけど、結局戻ってくる。
どんなに長くサボっていても
その内にきっと必ず書きたくなるから。

ブログってそんなものなのかも知れない。
もう書き始めて何年になるんだろうか?

ブログと共に、
ワタシも歳をとり。
成長し。(?)
他の人のブログとつながる。

あ、あのヒト、どうしてるかな?
なんて、ワタシも覗きにいく。
毎日頑張って書いているヒト、
ぼちぼち頑張っているヒト、
さまざまだけど、
ああ、頑張っているんだな、って分かるだけで、
一日の終わりに、ワタシに元気をくれる。
ホントにありがとう。
そして、来てくれたヒト、ありがとう。

にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へにほんブログ村 病気ブログ てんかんへ
Latest journals
Latest comments
Latest trackbacks
Monthly archive
Category
ワタシの休憩場所。
Mail form

Name:
Mail address:
Subject:
Body:

Free area
Calendar
10 | 2017/11 | 12
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
Link

このブログをリンクに追加する

Search form
Friend request form

Want to be friends with this user.