サーマスト先生の音楽学校。

今日は、友人が監督したドキュメンタリーの上映会が
フェデレーションスクエアのACMIであったので
夫と行って来た。

Dr. Sarmast's Music School 「サーマスト先生の音楽学校」
という題で、シドニーでの上映とABCでの放映の後、
やっとメルボルンでオリジナル版を見る事が出来た。
これは、アフガニスタン初の音楽学校の話なんだけど、
設立者のサーマスト先生や、学校の教師、生徒たちの声を通して
現在のアフガニスタンの現状や、
音楽に対する反感の強い政治的な環境の中で
音楽をやる事の難しさなど
色々な問題が浮かび上がってくる。

でも、アフガニスタンに音楽を取り戻すという
サーマスト先生の情熱は誰にも止められない。
ここで止める事は絶対に出来ない。
アフガニスタンから、世界でも通用するような音楽者を
出せるようになるまで。
アフガニスタンの若者が、
自由に音楽を出来るようになるまでは
絶対にあきらめない。

友人がこのドキュメンタリーを作り出したのは5-6年前。
初めて撮影の為にアフガニスタンに行くと聞いたときには
『アフガニスタン・イコール・危険』 というイメージが頭から離れなかった。
大丈夫。アフガニスタン出身の友人が居るから。
と彼女は言っていたが、恐らくサーマスト氏の事だったんだろう。

プロジェクトが始まった頃は
廃墟のような、ブルドーザーの騒音で耳が痛くなるような環境で
壊れかけた楽器を使って、
生徒がいつまで経っても同じ教本に従って練習している。
音も割れているし、大きく外れている。

殆どの学生が貧しい家の出身で、
学校へ来はじめる迄は路上でプラスチック袋を売ったりして
小銭を稼いでいたような子供たちだ。
母親が子供達が好きな事を出きる様に、と
有り金をたたいて、授業料を払っている。

学校は少しずつ形を成していくけれど
楽器はないし、建築業者が安い材料で
最低の仕事をする為に、
工事は困窮を極める。
そんな中でサーマスト先生は業者との話し合い、
クラスの授業日程の話し合い、
海外との取引を、
自分も音楽を生徒達に教えながらこなして行く。

その間、サーマスト氏の現在の拠点であるメルボルンでは
奥さんとお子さんが、
遠く離れたカブールで夢と使命を追い続ける氏を、
寂しさに耐えて待ち続ける。
「一旦決めたら誰にも止められない人だから」
と誇らしげに語りながらも、
その複雑な本心はワタシには想像も及ばないものなのだろう。
サーマスト氏は現在も音楽学校の仕事で
カブールに滞在中である。

一方、学校の方は、
ユニセフの介入やアフガニスタンにあるアメリカ大使館の経済援助により、
少しずつ海外からの音楽教育者を迎え入れ、
生徒の音楽の水準もどんどん上がっていく。
授業料も無料にする事が可能となった。

学校の生徒で、アフガニスタン初のオーケストラを作り、
海外のコンサートホールでも演奏活動をするようになっている。

そんな進展とは裏腹に、
アフガニスタンでは最近も、
音楽パーティーをしていた人達がタリバンに惨殺される事件があった。
学校ではそんな懸念を考慮し、
外に音が漏れないように、防音設計がしてあるが、
ドキュメンタリーの中で、
生徒たちは顔を撮られているのだ。
楽器を持ち、スカーフから髪の毛を随分出して登校する女生徒も多い。
少し心配だ。

自信をもち、自分の意見を持ち出している生徒の勇気に感動しながらも、
サーマスト先生の本当の夢が、ゴールに辿り付くまでには
はぁ、まだまだ遠い道のりなのだろうなぁ、と想像できる。

正直言うと今迄彼女のドキュメンタリーは余り見ていなかったんけど、
この作品は私がずっと応援していて、見たいと思っていた。
素晴らしい出来だった。
サーマスト氏だけでなく、彼女の情熱と感情も伝わってきた。
色々と考えさせられた。

上映中、ワタシも途中で胸を突かれて何回か泣いてしまったけど
気がついたら、夫も横で泣いていた。
上映後、友人も撮影の裏側を話しながら少し感極まったようだった。

そうだね、
音楽が、アフガニスタンを変えるかもしれないね。
その希望の光を消さない為にも、この学校の成功を応援したい。



『アフガニスタンでの音楽制限』
8月21日にヘラートの町で予定されていた人気歌手、Shafiq Mureed のコンサートが、ある宗教のリーダーが「反道徳的」と言った為キャンセルされた。ヘラートはアフガニスタンでも文化的に比較的オープンな場所である。
これによって、若者達がコンサート中止に対して反対デモを起こした。
音楽の無いダークエイジに戻るのは許さない!表現の自由はアフガニスタンにもあるべきだ。

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齢45になるベテランてんかん患者です。 お仕事はきちんとしながら オフはだらだらと生活してます。 仕事仲間には私が怠け者とはバレてません。 てんかん、っていう以外はまあ、普通。 つまんない冗談とかよく言ってます。

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ふぅみん:D

Author:ふぅみん:D
16歳の時にてんかん発病。
闘病歴24年。(な、長い!)
7年前、オーストラリアのメルボルンでソウルメイトと出会い、8ヶ月後に結婚。

性格:真面目な変人。オープンな性格。時々情緒不安定。
タイプ:エロオヤジ系。
煽てられると調子に乗る。

いつも、ありがとう。

折角ブログを覗きに来てくれる人が居るのに、
サボり癖のついている最近のワタシ。
だけど、結局戻ってくる。
どんなに長くサボっていても
その内にきっと必ず書きたくなるから。

ブログってそんなものなのかも知れない。
もう書き始めて何年になるんだろうか?

ブログと共に、
ワタシも歳をとり。
成長し。(?)
他の人のブログとつながる。

あ、あのヒト、どうしてるかな?
なんて、ワタシも覗きにいく。
毎日頑張って書いているヒト、
ぼちぼち頑張っているヒト、
さまざまだけど、
ああ、頑張っているんだな、って分かるだけで、
一日の終わりに、ワタシに元気をくれる。
ホントにありがとう。
そして、来てくれたヒト、ありがとう。

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